個人のご相談
契約トラブル(下請)、契約書、約款
1.契約トラブル(下請け)
①契約が履行されない場合、下記の対処法が想定されます。
(1)内容証明郵便で請求する
内容証明郵便は、文書の内容と送達日付が公的に証明できるようになるので、当方の主張を相手方に伝達するのに最適な方法です。
相手方に何らかの回答をさせるようにプレッシャーをかける事が可能です。
判例や証拠文書を添付したいときは、書留郵便も利用します。
自社で内容証明を出すこともできますが、弁護士が弁護士名で内容証明を出すほうが、効果的と言えます。
(2)通常訴訟を申し立てる
通常訴訟となりますと、弁護士に委任するのでなければ難しい場合が多いです。 通常訴訟で勝訴し、判決が出たらその判決をもとに相手方と交渉する方法もありますし、相手方がそれでも債務を履行しないのであれば、強制執行することになります。
(3)契約を解除する
相手方が債務を履行しなくとも、契約を解除しない限り、当方は相手方に対し、債務を負い続けます。解除するためには相手方に帰責事由が必要であり、また、履行が可能であるが履行期を経過している場合は、原則として相手方に履行を催告し、にもかかわらず相手方が催告期間内に履行しない場合に、解除可能となります。 この解除の意思表示は、裁判とは無関係に内容証明郵便で行うこともできますし、裁判上で行うこともできます。
(4)相手方に損害賠償を請求する
相手方が債務を履行しない場合に、当方が損害を被る場合があります。
この場合、相手方に対し損害賠償を請求することができます。
この損害賠償は解除と共にすることができるため、契約を解除しつつ、損害賠償を請求することもできます。
なお、契約の解除と同じく、損害賠償の場合も相手方に帰責事由があることが原則として必要です。
契約トラブルについては、まずはお気軽に弁護士にご相談されることをお勧めします。
②下請法
「下請法」とは、この「業務委託」に関する法律です。正式名称は、「下請代金支払遅延等防止法」といいます。各種業務委託契約において、親事業者がその地位を利用して下請いじめをすることを禁止することを狙いとする法律です。
例えば、親事業者が下請事業者に対し、注文した物品等の受領を拒んだり、受け取った物品を返品したりするというご経験はないでしょうか? あるいは、あらかじめ定めていた下請代金を減額されたりしたことはないでしょうか?
「下請法」は、これらの行為を「下請いじめ」と捉え、これに該当する行為を禁止しております。これらに違反する親事業者に対しては、公正取引委員会等によって、各種検査が実施され、違反が認められると行政指導による是正・勧告が行われるほか、罰金や罰則が科されることもあります。これらを通じて下請事業者を保護しようというのが、「下請法」なのです。
ところで、「下請法」というと、専ら建設業に該当する法律のように思われる方も多いかと思いますが、実際には各種業務委託契約につき広く適用されるものです。これを、委託する親事業者から見れば、下請いじめと判断されることのないよう、予防法務に努める必要がありますし、受託する下請業者から見れば、親事業者に対して攻める法的手段として有効活用すべきものです。
下請法に関して詳しくお聞きになりたい方は、お気軽に当事務所までお問い合わせ下さい。
2.契約書
事業を行う限り、様々な契約を締結する場面に遭遇します。売買契約、金銭消費貸借契約、雇用契約、土地建物賃貸借契約など、契約書の種類も多岐に渡ります。
しかし、契約書が大事だ、ということはわかっていても、実際にはどのような場面で必要になるのか、また、どのような内容にすればよいのか、わかりづらい、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらのページでは、そもそも契約書とは何なのか、契約書の必要性とは何か、また弁護士に契約書を依頼するとどのようなメリットがあるのか、良い契約書とはどういったものなのか、といった点について、弁護士がわかりやすく解説いたします。
1.契約書とは?
「契約書」とは、簡単にいえば「契約」内容が記載された書面です。もっとも、日本の民法では、保証契約等一部の契約を除いて契約の成立には契約書の作成は要求されません。
しかし、単純なお金の貸し借りであればまだしも、企業間で成立する契約は通常複雑です。そのため、権利義務に加えてリスクの分担等の詳細な部分を契約書なしに当事者間の認識を一致させることは困難です。
また、実務上は、一度契約書を交わすと契約書に記載されている内容がそのまま契約内容であると扱われることになります。そのため、後から契約書に記載がある内容を覆すのは非常に困難です。
そのため、契約書を作成するということは、ある取引について各当事者の権利義務、リスクの分担及び回避について当事者の認識を合致させることであり、その後の紛争を予防することにも繋がります。
2.どうして契約書が必要か?
契約書を作成し、当事者間の合意内容を書面で明確にすることにより、契約内容に関する当事者間の誤解を防ぐことができ、その誤解から生じる紛争を予防することができます。
契約書を作成するためには、まず、契約の内容を確定する必要があります。そして、その内容を契約書に落とし込むことになります。そのため、契約内容を文書に落とし込む過程で契約内容を再考することになります。
また、当事者間で契約書の文言を確認することにより、リスク分担等権利義務以外の詳細な部分についても当事者間の認識が明確になります。
契約書が存在しない場合、契約内容は当事者の頭の中にしかありません。そのため、当事者以外の者が契約の具体的内容を正確に把握することは簡単ではありません。
また、契約内容が書面化されることにより、第三者もその内容を検討できることから、多角的な視点で契約内容を検討することができます。
裁判上、契約書が存在する場合、原則として、そこに記載してある内容が当事者の合意した内容と判断されます。口約束だけでは契約内容に思い違いがあったり、時間の経過により記憶があいまいになるなど、当事者の供述はその信用が高くありません。
そのため、万が一、相手方とトラブルになった場合、相手方との契約内容を証明する重要な証拠となります。
3.契約書の作成を弁護士に依頼するメリット
契約書を作成する段階で、事前にリスクを洗い出し、そのリスクの負担や回避について契約書に条項を組み入れれば、リスクが顕在化したとしてもその条項をもとに当事者間で紛争を解決することができます。
また、契約書といっても、その類型は様々です。そして、契約類型ごとに特有の注意点や問題となりうる事由も異なります。そのため、専門家である弁護士に相談し、適切なリスクの分析がなされ、法的問題を含むリスクや問題が指摘されることにより、紛争の事前予防が可能となります。
ネットを検索すれば、さまざまな契約書の雛形を簡単に手に入れることができます。しかし、あくまで雛形はひな形に過ぎず、一般的な条項は含まれているもの、個別具体的な条件に対応できるものでないことが少なくありません。
当事者の合意内容を正確に文書化し、かつ、取引に内在するリスクを洗い出し、それを契約書という形にして初めて契約書としての役割が最大限発揮されることになります。
また、合意内容を契約書に落とし込む作業も専門家でなければ困難で時間を要する作業といえます。そのため、合意内容を正確に契約に反映するためには、専門家の力が必要となります。
原則として、どのような合意をするかは当事者の自由です。しかし、だからいってどのような合意も有効とは限りません。例えば、雇用契約書などは労働基準法との関係で特にその有効性に注意が必要です。
そこで法律の専門家である弁護士が契約書を作成することにより、契約書の有効性を担保することができます。
契約書を作成する際は、当事者の立場により、契約条件を調整する必要があります。これは、全ての契約書においてあてはまります。
例えば、売買契約書のような典型的な契約書であっても、売主側であるか、買主側であるかにより、契約書の条件が変わります。売主側であれば、売った物に関する事後の責任をできるだけ限定したいと考える反面、買主側であれば、これと真逆のことを考えます。
このように、契約書を作成する際は、当事者の立ち位置を考慮したうえで、適切な契約条件を設定する必要がありますが、このような作業は、一般の方には困難であり、専門家である弁護士に依頼することにより、正確性を確保することができます。
4.当事務所では、例えば以下のような契約書の作成を行っています。
1. 不動産契約
- 土地建物売買契約書
- 建物賃貸借契約書
2. 商取引契約
- 継続的売買契約書
- 販売店契約書
- 代理店契約書
- 業務提携契約書
- OEM契約書
- フランチャイズ契約書
3. 委託・請負契約
- システム開発委託契約書
- 製造委託契約書
- 運送委託契約書
- 個人情報の取扱いに関する業務委託契約書
4. M&A・組織再編に関する契約
- 株式譲渡契約書
- 事業譲渡契約書
- 新設合併契約書
- 吸収合併契約書
5. 人事労務契約
- 労働(雇用)契約書
- 入社時誓約書
- 退職時誓約書
- 就業規則
6. 知的財産権・ライセンス契約
- 共同研究開発契約書
- 秘密保持契約書
7. 金銭貸借・担保契約
- 金銭消費貸借契約書
- 準消費貸借契約書
- 保証契約書
- 保証委託契約書
- 債権譲渡契約書
5.契約書作成費用
分類 | 手数料 | |
定型 | 経済的利益の額が1、000万円未満のもの | 5万円から10万円の範囲内の額 |
同上 | 経済的利益の額が1、000万円以上 1億円未満のもの | 10万円から30万円の範囲内の額 |
同上 | 経済的利益の額が1億円以上のもの | 30万円以上 |
非定形 | 基本 | ◇300万円以下の場合…10万円 ◇300万円を超え3、000万円以下の場合…1%(標準額) ◇3、000万円を超える場合…0.3%(標準額) |
同上 | 特に複雑又は特殊な事情がある場合 | ご依頼者様との協議により決めさせていただきます。 |
– | 公正証書にする場合 | 上記手数料に3万円を加算した額 |
6.顧問弁護士制度のすすめ
当事務所と顧問契約を締結いただけた場合は、契約書のリーガルチェック及び簡易な契約書の作成につきましては、一定のボリュームまでは顧問料の範囲内で作成し、別に費用は頂きません。
また、複雑な契約書につきましても、一般のご依頼と比較して安価にて対応させていただきます。